レポート 篠路福移湿原 観察会
札幌市内にある「篠路福移湿原」で、NPO法人カラカネイトトンボを守る会主催による観察会が行われました。炎天下のなか44名の参加がありました。観察会ではミズゴケ、ノハナショウブ、希少なカラカネイトトンボなどを観ることができました。また、土砂の埋め立てによる貴重な動植物の生息場所が失われていっている現状を確認しました。
当日のスケジュール
10:00~ :集合/本探索会の説明/SAVEJAPANプロジェクトの説明
10:30~ :観察実施(スタッフによる湿原のレクチャー)
12:00 :終了
当日活動内容
NPO法人カラカネイトトンボを守る会のスタッフより本観察会の説明、共催団体である石狩川流域湿地・水辺・海岸ネットワーク(通称:しめっちネット)代表の鈴木さんから挨拶がありました。
代表の綿路さんより挨拶。今回はアメリカからホームステイに来ている女性の参加もあり、英語?での挨拶もありました。
高校生グループと一般グループの二手に分かれて、いざ湿原へ。笹のなかを入っていきます。
背丈ほどあった笹がなくなり湿原に到着。ガイドはNPO法人カラカネイトトンボを守る会の若手スタッフです。
モウセンゴケが確認できました。
ノハナショウブやエゾノサワアザミの花も観ることができました。乾燥化が進み、ノハナショウブは年々減少していっているとのことでした。
カラカネイトトンボを探し中。とても小さなトンボで、みんなで目を凝らして探しています。
カラカネイトトンボを捕まえました。青色のとてもきれいなトンボでした。飛んでいる写真は動きが早くて撮れませんでした・・・・。
泥炭を切り出した後に出来た池塘(ちとう)です。トンボが産卵をするため、池塘の近くにはカラカネイトトンボだけでなく様々なトンボがたくさんいました。
先に進んでいくと、景色が変わってきました。背丈の高い植物が・・・。
原因は土砂の埋め立てです。原野商法によって多数の不在地主がいたために開発を逃れた「篠路福移湿原」ですが、不在地主が多いこともあって業者による埋め立てが進められています。
NPO法人カラカネイトトンボを守る会は、土地を購入して湿原を埋め立てから守ろうとしています。それでも埋め立ては進み、湿地環境の劣化は進行しています。カラカネイトトンボという大変貴重な生物も生息できている札幌市唯一の高層湿地が失われないために、湿原の魅力を伝えるために、このような観察会の取り組みの大事さを参加者で共有しました。
このイベントで得られたこと
はじめて湿地を訪れた方に、様々な花や生き物との出会いを通じて湿地の魅力が伝えられました。また、湿地が失われていった背景なども説明をしたことで、参加者の方に湿地の保全の難しさなどを伝えることが出来ました。