スゲ〆縄づくり(家庭用)1回目
毎年恒例のしめ縄づくり1回目。
ご参加いただいた皆様、ありがとうございました!
(2回目も定員に達したためキャンセル待ちです)
このしめ縄は、輪の部分(頭)だけのリース型ではなく、「邪気を払う」という大切な意味のある長い足がある形です。
飾りにも1つ1つ意味があります。
それらを確認しながら、みなさん立派なしめ縄を完成させることができました!
お正月に飾られる伝統的なしめ縄は、稲わら・スゲ・マコモなど、地域によってその材料が異なります。
寒冷地である北海道では、スゲ製が多かったのではないかと思います。
ひと昔前には、スゲが生育するような湿地はあちこちにあり、スゲ笠や蓑(みの)を作るための生活必需品だったようです。
しめ縄は神様に示す縄。
買うなんてせずに、みんな自作していたそう。
しかし、現在ではそのような湿地が消え、スゲがなかなか手に入らない貴重なものとなり、しめ縄などを作れる人も減ってしまっています。
ホームセンターで販売されているしめ縄を見てみてください。
ナイロンや中国産のスゲでできたものばかり…
神社に飾られているものでさえ、そのようなものが増えています。
小正月に行われるどんど焼きでは、ナイロン製のものはもちろん焼けません。
中国産のスゲも、緑色の塗料を塗られていることがあるそうで、焼くと黒い煙が出てしまうのだとか。
飾りも、最近はプラスチック製が多いですね。
今回の飾りは、すべて紙製!
以前は海老の張り子を作っていた方もいらっしゃったようなのですが、需要の減少で製造をやめてしまったそうです。
そのため、今は水引でできた海老を使っています。
(プラスチック製の海老も廃盤になったそうです。)
最近は北海道でスゲが採れる場所も減少してしまっています。
5年前に訪問した函館市の道南四季の杜公園では、棚田の一部がスゲ田になっており、そこで育てたスゲを採取してしめ縄を作られていました。
6年前に訪問した千歳市の泉郷神社に立派なしめ縄を奉納されている方々からは、カサスゲが採れた地域の湿地がなくなってしまったと伺いました。
現在はこれまでに採って貯蔵しているものを使い、アンコには違う地域で採らせてもらったオオカサスゲを利用されていました。
この湿地の恵みを継続的に享受し、伝統文化を後世に伝えるため、スゲ群落の保全やスゲ田などによる材料供給をしていきたいと考えています。
今回の湿地文化体験を通して、スゲや湿地に少しでも興味を持ってくれた方がいたらとても嬉しいです。
こんな立派なしめ縄を焼いてしまうのは勿体無い気もしますが、飾ったものを空にお返しするため必ずどんど焼きに持っていきます♪
——
NPO法人 人まち育てⅠ&Ⅰ主催の「湿地の恵み復活プロジェクト」の1つ、
『石狩地域産のスゲによる〆縄づくり』では、
スゲの群生地を探し、春から複数回整備を重ね、夏に収穫し、9月には神社に奉納する大きなしめ縄も作りました。
石狩地域産のスゲで〆縄づくり(2023年度報告)
来年度も引き続き、スゲ〆縄倶楽部の活動を行っていきます。
スゲ群生地の整備・スゲの刈り取り・神社奉納用のしめ縄作り・家庭用のしめ縄作り・ゆくゆくはスゲ田作りなどをする予定です。
興味のある方は、当会の賛助会員やサポーターに入っていただければ、
イベント情報などをお知らせいたします!