レポート 湿地文化体験〜湿地に生えるスゲで〆縄を作ろう~

12月12日(土)、札幌市にある市民活動プラザ星園にて「湿地文化体験~湿地に生えるスゲで〆縄を作ろう~」を開催しました。
感染症の対策で定員を絞っての開催となり、小学生のお子さんから大人まで計10名の方々にご参加いただきました。
講師として小樽市在住の二杉寿志さんをお迎えし、当日は息子さんも助手として来て下さいました。

当日のスケジュール

14:00~  :集合/挨拶/二杉さんの見本実演

14:20~  :〆縄作り体験

16:30~  :飾り付け

16:50~  :まとめ/終了

実施内容

〆縄にはいろいろな種類がありますが、今回教えていただいたのはこの形です。
最近は輪の部分だけのリース型のものも多いですが、その下の長い足の部分には「邪気を払う」という大切な意味があるのだそうです。

まず二杉さんのお手本を見て学んだ後、1人ずつスゲを受け取り、輪の部分を作ります。

湿らせたスゲの束を3等分し、そのうち2束を締め上げながら編んでいきます。
芯となるアンコを途中で入れるのを忘れずに。このアンコもスゲでできたものです。
残りの1束も同様に編み込み、輪の部分が完成!
両足を使いながらの慣れない作業に苦戦しながらも、みなさんとても上手に編むことができました。

休憩時間には、スゲと同じく湿地に生育するマコモのお茶をお出ししました。
その間、ブルーシートの上に落ちているスゲを数本集め、縄なりの練習をする方々も。

後半は足を作ります。
もう一束のスゲを3等分し、輪の中央部分に通します。
足の長さを決め、スゲの上の部分を三つ編みして結びます。
結ぶときに使った紐も、二杉さんがスゲで作って来て下さいました。

いよいよ最後の飾りつけ。
飾りの意味を1つ1つ説明していただきながら、スゲに差し込んだり小さな釘で固定し、
無事に立派な〆縄が完成しました!

スゲには様々な種類がありますが、湿地や水田やため池などに生育する種類も多くあります。釧路湿原などで有名な「谷地坊主(やちぼうず)」も、スゲの仲間のかたまりでできています。

お正月に飾られる伝統的な〆縄は、稲わら・スゲ・マコモなど、地域によってその材料が異なります。寒冷地である北海道では、スゲ製が多かったのではないかと思います。
ひと昔前には、スゲが生育するような湿地はあちこちにあり、スゲ笠や蓑(みの)を作るための生活必需品だったようです。〆縄を自作する人もたくさんいたそうです。
しかし、現在ではそのような湿地が消え、スゲがなかなか手に入らない貴重なものとなり、〆縄などを作れる人も減ってしまっています。
ホームセンターで販売されている〆縄を見てみてください。
ナイロンや中国産のスゲでできたものばかりです。
神社に飾られているものでさえ、そのようなものが増えているのだとか。
小正月に行われるどんど焼きでは、ナイロン製のものはもちろん焼けません。中国産のスゲも、緑色の塗料を塗られていることがあるそうで、焼くと黒い煙が出てしまうため焼かれないのだとか。
飾りも、最近はプラスチック製が多いですね。
今回用意してくださった飾りは、海老以外はすべて紙製!
以前は海老の張り子を作っていた方もいらっしゃったようなのですが、需要の減少で製造をやめてしまったそうです。

最近は北海道でスゲが採れる場所も減少してしまい、今回用意してくださったスゲは東北地方で採れたものだそうです。
昨年訪問した函館市の道南四季の杜公演では、棚田の一部がスゲ田になっており、そこで育てたスゲを採取して〆縄を作られていました。
一昨年訪問した千歳市の泉郷神社に〆縄を奉納されている方々からは、カサスゲが採れた地域の湿地がなくなってしまったと伺いました。現在はこれまでに採って貯蔵しているものを使い、アンコには違う地域で採らせてもらったオオカサスゲを利用されていました。
当会では、スゲが生育する湿地を残したり、スゲを育てる場を作ったりなど、北海道産のスゲで〆縄を作る文化を残していこうと思案中です!

今回の湿地文化体験を通して、スゲや湿地に少しでも興味を持ってくれた方がいたらとても嬉しいです。

講師の二杉さんと息子さん、参加してくださった方々、ありがとうございました!

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私たちは、湿地を守り育てていくため、湿地の植物の利活用を行い、より多くの方に湿地の必要性や大切さを知ってもらいたいと思っています。
来年度も今回のようなワークショップを開催したいと考えておりますので、興味のある方はぜひご参加下さい!

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